知覧城~ 続日本100名城 #198
志布志と同様、薩摩藩の外城の一つとされる知覧は、麓(ふもと)の武家屋敷群が観光名所として有名です。また、中世城郭としての知覧城は、規模も大きく、保存状態も良好で、見応えがありました。
知覧城
ミュージアム知覧のパンフレットによると、「知覧城は、島津氏庶流の佐多氏の拠点として、中世後期に築かれた天険の城で、南九州を代表する中世山城」で、「標高170mのシラス台地を刻む浸食谷を利用して、大きく2群の曲輪と周辺の屋敷群からなる」城ということです。(下は本丸跡に建つ石柱)
上空からの全景(上記パンフレットより)
シラス台地が浸食され、いくつもの曲輪になっています。中央の大空堀を挟んで2つの曲輪群に分かれているのが分かります。
縄張り図(上記パンフレットより)
中央下の駐車場から時計回りに空堀を進み、蔵之城と本丸まで番号順に進みました。
①本丸口
主郭曲輪群の入口であり、木戸が設けられていたのではないか?と思われます。
②今城(右上)南空堀
搦手口へ抜ける空堀。両側の崖も急こう配です。
③本丸・蔵之城、今城、弓場城へ続く空堀
曲輪と空堀が複雑に交わっており、寄せ手は迷路に入り込んだ気分になります。
④本丸・蔵之城の虎口
⑤虎口の枡形(奥)
主要郭の入口だけに、進路は左折れの枡形で、防御力を高めています。
⑥蔵之城の虎口
曲輪の虎口も急坂で、下からは攻めにくく、上から防御しやすい構造です。
⑦蔵之城の郭内
本丸と対になっており、名称からして、食料や武器を備蓄した曲輪と思われます。
⑧本丸虎口
登りきると、本丸は見た感じ300坪くらいはありそうで、知覧城の石碑(冒頭写真)が建っています。
シラス台地をうまく活用した天然の縄張りが見どころです。本丸下に無料駐車場があり、案内板の設置や登城路の草刈りなど、城域はよく整備されており、気持ちよく見学ができます。また、やぶ蚊もほとんどいませんでした。
時間がなくて、周囲の曲輪や屋敷群まで足を伸ばせなかったが、また機会があれば半日くらいかけて、じっくり散策したい城です。