トンボさんの遊人手帳

Yahoo!ブログから引越してきました。自由人の徒然なる日記です。

クマガイソウのちょっと悲しいお話

北側の隣家との境の狭い場所に・・・

今年も花をつけた

クマガイソウ
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その名の由来は、膨らんだ花びら(唇弁)が、武者が背負った母衣に似ており、それを源氏武者 熊谷(クマガイ)次郎直実に重ねて当てたものです。

平家物語「敦盛最期」の段
熊谷直実は、一の谷合戦に敗れ落ちていく平家の若武者 平敦盛を呼び止め一騎打ちを挑みます。

組み敷いてみると、ちょうど自分の息子と同じ年頃の若者。

直実は若武者を逃がそうとしますが、味方が周りで見ていたため、泣く泣くその首を落としました。

後に、直実は法然上人の弟子となり、出家し蓮生と号しました。

古人(いにしえびと)は、日陰にひっそりと咲くこの花に、もののあわれを感じたのでしょうか。

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また、クマガイソウと対比されるアツモリソウもあります。アツモリソウは、クマガイソウの白っぽい色に対し、平家の旗の色にちなんだ赤色です。

クマガイソウおよびアツモリソウは栽培が難しいうえ、乱獲の影響で絶滅危惧種に指定されています。

クマガイソウ群生地
近県にいくつか知られた群生地がありますが、写真下は福島県二本松市にある「羽山の里」です。平地林のなかに見事なクマガイソウの群生が見られます。(2015年5月撮影)
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クマガイソウは土地を選ぶ?
ウチのクマガイソウは、15~6年前に県南のとある旧家から株を分けていただきました。

2か所に分けて植えましたが、当初、数年間は花がつきませんでした。日照条件、風通し、地味等、さまざまな条件があるようです。

ようやく4~5年目に北側の日陰で花開くようになり、今年は7株が花をつけました。しかし、もう1か所では辛うじて芽を出すもののまだ花がつきません。

株を分けていただいた旧家の裏にある竹林では、今頃、一群のクマガイソウが涼やかな薫風を受けていることでしょう。