クマガイソウのちょっと悲しいお話
北側の隣家との境の狭い場所に・・・
今年も花をつけた
クマガイソウ
その名の由来は、膨らんだ花びら(唇弁)が、武者が背負った母衣に似ており、それを源氏武者 熊谷(クマガイ)次郎直実に重ねて当てたものです。
平家物語「敦盛最期」の段
組み敷いてみると、ちょうど自分の息子と同じ年頃の若者。
直実は若武者を逃がそうとしますが、味方が周りで見ていたため、泣く泣くその首を落としました。
後に、直実は法然上人の弟子となり、出家し蓮生と号しました。
古人(いにしえびと)は、日陰にひっそりと咲くこの花に、もののあわれを感じたのでしょうか。
また、クマガイソウと対比されるアツモリソウもあります。アツモリソウは、クマガイソウの白っぽい色に対し、平家の旗の色にちなんだ赤色です。
クマガイソウおよびアツモリソウは栽培が難しいうえ、乱獲の影響で絶滅危惧種に指定されています。
クマガイソウ群生地
クマガイソウは土地を選ぶ?
ウチのクマガイソウは、15~6年前に県南のとある旧家から株を分けていただきました。
2か所に分けて植えましたが、当初、数年間は花がつきませんでした。日照条件、風通し、地味等、さまざまな条件があるようです。
ようやく4~5年目に北側の日陰で花開くようになり、今年は7株が花をつけました。しかし、もう1か所では辛うじて芽を出すもののまだ花がつきません。
株を分けていただいた旧家の裏にある竹林では、今頃、一群のクマガイソウが涼やかな薫風を受けていることでしょう。